石ノ森章太郎/日本経済新聞社
私たちは、日本で初めて広告漫画制作事業を始めました。1988年秋の頃です。『マンガ日本経済入門』石ノ森章太郎著(日本経済新聞社)が出版されたのが1986年ですから、まさにその2年後、第一期ビジネスマンガブームが到来した時期でした。
『マンガ日本経済入門』の社会的影響力は大きく、マンガで難しい経済用語が学べるという画期的な発想(学習法)は、マンガが子供の読みものから社会人がビジネスを学ぶ目的で読むものへとその認識は変わっていきます。
『マンガ日本経済入門』は、全4巻発行され、1巻の主人公は商社マン、以下銀行員、国際会計事務所の会計士、経済企画庁の官僚と国会議員らを中心に話が展開され、当時企業が若手社員の教育目的で「企業買い」されるほどのブームとなりました。
実は、会社を創る時は別の事業を考えていました。それは「コーヒー豆の焙煎販売事業」です。前職の会社の友人が紹介してくれたもので、当時を振り返ると創業時の事業テーマは何でもよかったんです。サラリーマンにはとことん愛想をつかし、自分がやればどんな事業でも上手くいく、それくらいの自信を持っていました、不遜にも。当時33歳。それは他人様にはどう表現しても上手く伝わらないものなんですが(笑)、自分への圧倒的な自信。もしかすると事業テーマよりもこの力を持てる者こそが起業家になり得る才能かもしれません。しかし神さまはそれだけで成功できるほど世の中甘くないことを身を持って教えてくれました。
目の前に「コーヒー豆の販売」というテーマがぶら下がれば、一気に販売戦略を立案しブランドも作りました。その名も「NO.1コーヒー」。まずは関東でナンバーワンを目指そうと。ターゲットは湘南のお金持ち家庭。販売員は主婦を組織化、コミッションセールス制。チラシを配布し準備万端。いやー、起業は楽しい。こんなに楽しいなら早く起業すれば良かった……そう思ったのもつかの間。
実はこの事業は上手く行かなかった。結果から言うと他人様が買ってくれたのは、ブルマン1袋だけだった。締めてコーヒー事業売上980円也。大企業でトップセールスをとった営業力を持ってしても1袋しか売れないとはどういうことだ。
実はある朝、自宅でスーパーの折り込みチラシを見ていたら500gのコーヒーが載っていた。まあいくらか見てみようと目をやると・・・驚!?!?!? 何かの間違いではないかと目を疑った。そこに載っていた値段は、うちの仕入れ金額よりも安い値段が載っていたのです。紹介してくれた友人からは、コーヒーは生鮮食料品と同じ。鮮度で高く売れる。そう言われていたが流石に値段に倍の開きがあると営業力の問題では済まない。自分自身よくよく考えたらコーヒーはもともと好きではない。味も良くわからない。もうこれはダメだ、辞めようと(笑)
それで一緒に起業した相棒にもう辞めるって言ったんですよ。そしたら相棒が「岡崎さん、じゃあ次何やるんですか? 会社作ってまだ1カ月ですよ!」って言うんです。彼も一大決心だったんです。僕は当時33歳、彼はまだ25歳。同じ会社に勤めていた仲間で、彼は親から資本金100万円をもらっていたんです。しかも、当時、彼を僕の茅ケ崎の自宅に住まわせていたからもう実家に本当に帰るに帰れない状況なわけですよ。そんな中、私が焙煎事業をたった1カ月で辞めるなんて言いだすもんだから「じゃあ何やるんですか!?」って言い出すのは当然だったんです。
そこで私は「これからは漫画だ!漫画やるんだ!」って言ったんですよ。すると、彼は「漫画って…、漫画どうするんですか?」と。で、私は言ったんです。「例えばな、結婚式の披露宴で新郎新婦の生い立ちとか馴れ初めが漫画になって読めたら楽しくないか? 結婚式って新郎新婦の相手側がどんな人でどう付き合ったかなんて聞けないだろう。だからそれが漫画になったら面白いだろう」とね。そしたら彼は「面白いですね!」っていうんです。「まだあるぞ! 老人ホームに棚があって、その中に各ご老人の「私の履歴書漫画版」があったら面白いだろ。みんな過去には青春があるわけですよ! 物語で面白いし、そういうところからコミュニケーションが増やせるといいじゃないか。」「そして将来的には全国の書店に1億2千万の「私の履歴書漫画版」が揃うんだ! 日本国民は自分の人生を全て漫画にするんだ!そういう時代が来るんだ! 「どうだ、面白くないか?」
そう言うと彼は「それすごく面白いですね!」って言うんですよ。そこでね、相棒がある大事な事を言ったんです。「ところで漫画家ってどこにいるんですか?」って(笑)「確かにな! おれも知らん」と。彼は漫画が好きだったんですよ。ジャンプとかモーニングとかスピリッツとか雑誌を週4冊とか買ってたんです。一方私はというと、漫画は全然読んだ事ない。すると彼は言ったんです。「とりあえず漫画家探しましょう」とね(笑)
知り合いに川村さんという広告制作会社の人がいてね。その人に電話で「漫画家さんいないかなぁ?」と言ったら「いるかもね」と言われたので、「漫画家募集要項」をFAXで送ったんです。漫画1ページ分のシナリオと履歴書記入欄を付けて。シナリオの内容は、新婚カップルが「初デート」で江の島に行くシーンです。
そのB4 FAX 1枚を川村さんに送って、これを基に漫画家さんがいたら是非応募して欲しいとお願いしました。応募方法は、「シナリオをマンガ1ページで描くこと」と住所、学歴、マンガの過去実績などを履歴書に記入して私の茅ケ崎の自宅にFAXで送ること。
すると1週間くらいしてFAXが「カタカタカタ、カタカタカタ」と鳴ったんです。送られてきたFAXを見るとそれが漫画だったんです。第1号は「中島さん」という方だったんだけど、僕はその漫画に惚れ惚れしたんです。そして今度は1時間したら、またFAXが鳴って違う人から漫画が送られてきたんです。「カタカタカタ、カタカタカタ」って。そしたらこれが面白い事に同じシナリオなのにコマ割りとか構図が最初の人と全く違うんですね。結局その日は計3人から漫画が送られてきました、全く面識もない漫画家さんからね。
その後1週間の間に計15人の漫画家さんから応募がありました。その漫画家さんたちが神奈川、東京、千葉と東京周辺に住んでいる方ばかりだったので計3回、5人づつをファミレスの「デニーズ」に集めて説明会を開きました。説明会と言っても、私の自己紹介とこの漫画事業で漫画家のみなさんに何をして欲しいかという話をしただけなんですけどね。そうしたら漫画家さん達が、すごく喜んでくれたんです。「そういう人が現れるのを待っていたんだ!」と。
彼らはもっともっと漫画を描きたかったんですね。出版社とか編プロとかとお付き合いがあるんだけど、「自分達の描きたい漫画が描けない」とか「漫画は可能性があるのに描くことを制限され過ぎている」と常々考えていたらしいんです。そういう時に私が「漫画家と企業とのつなぎ役になるから漫画家のみなさんの力を貸して欲しい」と言ったもんだから、身を乗り出して目を輝かせて「ぜひやりましょう!」「取材に行かせて下さい!」とみなさん一所懸命応えてくれたんです。ああ「自分が世の中の漫画家さん達に歓迎されている」そう感じた瞬間でした。
発行翌日から電話が鳴りやまず本格的な受注活動開始
キャッチコピーは「私たちは文章をマンガに変換します」
1990年 2月 日経ベンチャー
1990年 8月 ビジネスナウ
1990年 9月3日 日本工業新聞
1990年 10月 にっけいでざいん
1990年 10月5日 日刊ゲンダイ
1990年 11月 オールセールス
1991年 1月 にっけいでざいん
1991年 1月 月刊サンサーラ
1991年 3月19日 テレビ朝日『トゥナイト』
1991年 4月 財界にいがた
1991年 5月 月刊DoLive
1991年 6月 月刊クロコダイル
1992年 9月25日 東京中日スポーツ
1994年 6月 DOLIVE増刊 起業塾
1994年 11月 週刊ビーイング
1994年 12月 BIG tomorrow
1995年 4月 週刊ビーイング
1995年 4月10日 テレビ朝日『トゥナイトII』
朝日新聞広告特集第6部「福武書店→ベネッセに社名変更PR企画」朝日新聞広告特集第6部「福武書店→ベネッセに社名変更PR企画」/
クライアント:福武書店
1、2面/作画・みつはしちかこ 3面/取材・弘兼憲史、柴門ふみ
2年間で40本掲載のお化け企画に!朝日新聞広告特集「有名漫画家のCITIBANK体験リポート」シリーズ
体験リポートされた有名漫画家:やくみつる、みつはしちかこ、石坂啓、
青沼貴子、赤星たみこ、モンキーパンチ氏など多数

日本初ブライダル・コミック誕生
転職の流儀を学べ!
新聞業界初 16P全面マンガ記事広告
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