【対決!素人vsネームライター】第2回:シナリオが同じとき、素人とプロではコマ割りはどう違うの?【後編】

【対決!素人vsネームライター】

※注意
この記事は後編になります。
前編をまだご覧になってない方はこちらから前編をご覧くださいませ。

 

高橋

皆さんお疲れ様です! 無事にスケジュール通り提出して頂きありがとうございます

まぁ社会人なんで(キリッ)

高橋

じゃあさっそく、 ただの素人ではない井田さんのから見ていきましょう!

齋藤

楽しみー!

 

<井田ネーム>



 

齋藤

えwwwwwwwwwwwwwwwww

えwwwwwwwwwwwwwwwww

戒能

えwwwwwwwwwwwwwwwww
wwww
wwww

まってww言いたいことが多すぎてww

齋藤

最後ww強気www

高橋

まず1つずつ言っていきましょうかww
制作時間はどうでしたか? ページ数が増えてその分増えましたか?

井田

いや、内容を考える必要がなかったので 制作時間自体は第一回と同じくらいの時間でした

高橋

そうだったんですね。では、 感想やこだわりはありますか?

井田

前回(第一回)は「セリフ」と「動き」のどちらも自分で考えることができたので、思いついてからは早かったのですが今回はセリフが決まっていて、自分で動きを考えないといけないというところにすこし戸惑いを感じましたそこも面白かったですけどね

井田

あと、どうしても「トンッ」は入れたかったんで―
 
問題の「トン」のシーン

いや、これ「ドンッ!!」の勢いでしょ(笑)

井田

いや、それ「トン」です「トン」!
引きの絵とその上に「トン」or「ドン」は僕のネームには欠かせないですね
 
 

戒能

これ、シャンクスがルフィに帽子をあげるところじゃ?

そうそう!見たことあるw

高橋

絶対にワンピース要素は入ってくるのね(笑)

井田

恋愛ものだったので、キュンキュンさせないといけないと思い 言葉ではなくて行動でもキュンキュンさせるには?って時にこれを思いついたんです
 

戒能

あ、これキュンキュンポイントだったの??(笑)

井田

あと、一回一錠と言われても 読者が「この薬が本当に効くのか?」という疑問を持つと思ったので 少しセリフをアレンジして「本当に効くの?」という切り口に変えました

高橋

なるほど
クライアントの戒能さんから何かありますか?

戒能

内容が衝撃的過ぎて中身が入ってこないっていうのもあったのですが(笑) ただ、クライアントからすると商品の効果や効能はわかりきっているのですが、 第三者から見て、「読者にはこっちの方が響きますよ」と提案頂けたのは嬉しかったですね

戒能

でもこれなんか少年漫画みたいですね

井田

あ!そうです! 少年マンガに載っている少女漫画を意識しました!

齋藤

え?でも今回のメインターゲットは少女漫画を読む――

井田

無理ですもん

齋藤

え!?www

井田

やってみたけど描けなかったですよ。 なので一番自分がイメージしやすい恋愛というところで描きました

高橋

なるほど
男性向け漫画を主に読んでる人としては女性ターゲットの恋愛マンガを急に描けと言われても難しかったって感じですかね 
 

<斎藤のネーム>


高橋

では次に、斎藤さんのネームを見ていきましょうか

齋藤

いやー緊張するー

井田

先輩が見てあげますよ

齋藤

なんでそんなに偉そうなのw

 

え!?見やすい?

井田

めちゃくちゃ見やすい

齋藤

やったー
 

井田

え?定規使ったのこれって?

え?そこから!?

戒能

確かに、井田さんのやつアル中みたいな線ですもんね

井田

定規使うんかーひとつ学んだわー

高橋

(ポジティブw)

戒能

いやーこれいいわ!可愛い!

高橋

「一緒にご飯いきませんか?」ところも、2人の表情を出しているのはポイントが高いですね

戒能

ちゃんと薬のイメージ図を入れてくれるのは嬉しいですね。 よくセリフだけで流されてしまったりするので、こういうの入れてほしかったんです
 

齋藤

ほんとですかー?よかった^^

高橋

では、斎藤さんやってみてどうでした?時間かかりました?

齋藤

最初は棒人間で描いてたら1日でかけたんですよ

高橋

おぉ

齋藤

でも改めて見たら自分でも何描いてあるのか分からなくなっちゃって

高橋

(笑)

齋藤

それで棒人間じゃない絵の練習に1日費やしました

戒能

えぇー、絵を描いたのはほんとに初めてだったの?

齋藤

そうなんですよ。頑張りました

高橋

なにか他にこだわったところはありましか?

齋藤

とりあえず、自分がキュンキュンしなと描けないと思ったので 理想の先輩を妄想してました!

高橋

そんなことを!?(笑) 自身でキャラ設定をより細かく作っていったことですね

齋藤

読んだときに「めっちゃイケメンな先輩じゃん」と思ったんですけど、これだけでは私のキュンキュンは足りないと思って、そこから色々なストーリーとかバックボーンを考えて絵に取り掛かりました

井田

このシチュエーション以外も妄想してたってこと?

齋藤

この打ち合わせの前の資料つくりとかどうやってたのかな?とかも考えてました

井田

すげーそこまで

高橋

キャラクターの設定を作りこむって漫画やストーリーで非常に大事なことなんですが それを天然でやるなんて

ネームライターの才能がありますね

齋藤

ほんどですかー??やったー!!うれしいー

高橋

なにか大変なことはありました?

齋藤

ここは描きたいというシーンはあったのでそれは描きやすかったんですけど、逆に1P目の導入とかをどうすればいいのかわからなくて・・・それは大変でした

高橋

なるほど、描きたいところを決めた後は詰込みですからね。 視線誘導を考えながら情報を詰め込んでいくのは、初めての人には難しかもしれないですね

齋藤

そうでした 第一回で井田さんが言ってた通り「絵は思い浮かぶけど、どう描いたらいいのかわからない」というのが多くて

高橋

でも、思ったよりも完成度が高くて驚きました。 (企画が危うくなるくらい)

井田

もっと顔マンガとか描いてくると思ったのに・・・嘘でしょ

勘もいいんでしょうね、常日頃から思ってましたが 齋藤さんは、相手がどうしたいのかをきちんと考えていて、なおかつ物事を客観的に見る力もあるので偏ったものを作らないですもんね。 ちゃんと欲しいものを作ってくれる
 
 

齋藤

え?ほんとですか?嬉しい!

戒能

クライアントからすると、 シナリオは私が書いているので、ある程度の「こうしてほしい」とか「こんな感じだろうな」というイメージが頭の中にあるんですよ。

戒能

齋藤さんのネームは、私が思っていたそういうのをしっかりと抑えていながらも、こう来るかといい意味で予想を裏切ってくるシーンもあって、期待は裏切らず予想は裏切るという良いネームでした。
 
大絶賛の戒能

齋藤

おぉー

高橋

(井田さんのときには出てこなかったいいコメントだ…)
では最後に北さんのネームを見ていきましょう

えぇー緊張してきたー

 

<北のネーム>


 

齋藤

えースゴイスゴイ!

井田

あ、ぜんぜん違うわ

齋藤

え、私これ描きたかったんですよね

戒能

井田さん!これが正しいキュンキュンシーンですよ!

井田

「トン」ってあったらよかったかもしれない
 

(笑)

齋藤

ちゃんと散らばってる!

井田

もどりました!ってこういう描き方もあるんですね

高橋

そうですね
背景にフキダシを載せて、場面転換を一気にやる方法ですね

高橋

何よりも違うのは最初の奈々のぶち抜きですね

井田

これホントスゴイ

高橋

最後もこんなに大きくコマをとれるのすごいですね。

井田

俺もこれをやりたかったわ

戒能

私のシナリオにオチがなかったのに、ちゃんといい感じに落としてくれてますね 完結した感じがでている
「りら~くすり」のパッケージもこんなにしっかり見せてくれるなんて

高橋

「プレゼン前に目を晴らすなよ」この男性の笑顔がいいですね

井田

そうそう、 やりかったですよ僕もそれ

高橋

さっきからそればっかじゃん(笑)

井田

いや、ほんと! やりたかったんですって!

戒能

でもここも良いですねー
ラストになんで友人たちを入れたんですか?次のお客さん想定?
この人たち居なくても成り立つじゃないですか?
 

今回の主人公は緊張症のキャラクターじゃないですか、でも世の中の女性って誰もかもがそんなにいつも緊張してるってことはないじゃないですか
なのでノーマルの人でも気になっているような描写が欲しいなと思って入れました
 

井田

おぉそこまで考えてるんですね

高橋

省略がうまいと思うのは、「バラバラ」と資料が散らばっているシーンですね。散らばるという情報をここでいれて、次のコマでは拾い終わっている。拾っている所を飛ばしているんですがマンガってそれでもきちんと読めるもんなんですよね

井田

いやー普通にしてたら落とす前とか、拾ってるとことか いろいろ描いちゃいますよ

齋藤

そのまとめ方がわからなくて、私は最後まで描けませんでした

高橋

こういう省略の仕方というか「どこを削ったらどう伝わるんだろう」ってのは、マンガを描いていないと使わない考えだったりしますもんね。やってこないとわからない感覚もあると思います。

戒能

こうやって聞いていると、シナリオをみて思いうかぶ映像って3人ともほぼ一緒なんですね。(井田さんはちょっと違かったけど…)
同じ映像をえがいているのにマンガになるとこんなに違うんですね
 

高橋

いやーほんとですね
では、せっかくクライアント役がいるので 最終的にクライアントがどれを選ぶかで終わろうと思います

戒能

えーどーしようかなー

あれ?井田さんの伏せてない!?(笑)
 

井田

おかしいおかしい!!

高橋

もしかしたら、上司が気に入るかもしれないですよ(笑)

戒能

んーでも北さんですね

井田

そらそうだわ(笑)

戒能

一番イメージに近くて それでいてイメージよりも良かったってのはありますね

井田

いやー楽しかった
 

<結論>


シナリオをもとに考える映像(コマのイメージ)は大体一緒だった 素人とネームライターの差はそのイメージを実現できるかの技術力の違いや引き出しの差であった

 

でも素人にも意外な才能が眠っているかも!? 

 


今回、斎藤さんがネームが思ったよりも上手で本当にびっくりしました。想定していた素人を超えてきたのでまじで企画倒れするかと思いました。

 

第3回は「既存のキャラクターを漫画化」という企画にしようと思います。

すでにいるキャラクターを理解して、マンガの中で動かすというアレンジ力を見ていこうと思います。

 

次回もお楽しみに